曾子曰く、以て六尺の孤を託すべく、以て百里の命を寄すべく、大節に臨みて奪うべからざるや、君子人か、君子人なり、と。
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曾子が言う、十五、六歳の幼弱のみなし子の将来を安心して頼める人、心配なく一国の政令と運命を任せられる人、そして危急存亡の大事に当たって、心を動かさず、節を失わない人、そういう人こそ君子人と言ってよかろうか。真の君子といえる人である。
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「六尺の孤」とは十五、六歳の幼君のこと。当時の一尺は約二十二センチで、六尺は一メートル三十センチ程の身長。孤は父を亡くして即位した君主のこと。「百里の命」とは百里四方ほどの諸侯の国の運命あるいは政令のこと。「大節」とは、国の命運をかけた大事件を言う。我が国では、豊臣秀吉の没後、まだ幼い秀頼を奉じて二条城での徳川家康との会見を無事に終えて大阪城に帰った加藤清正を評するのに、「論語」のこの章を引くことが多い。
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The true gentleman is like that.
A person whom they can entrust a 15,16 years old royal orphan's feature and one nation's governance which will continue in the long feature with no anxiety.
A person who will nevever confuse but always keep the social trust , even if facing in front of nation's disappearing crisis.
明治書院 論語 より
六尺の孤を託す 論語 孔子