入札戦争が勃発したときは、負けるが勝ちである


 入札戦争が勃発すると、価格はどんどん競り上がっていく。そして、入札者同士が一歩も引かなければ、予想される投資収益率はどんどん下がっていく。価格が上がれば上がるほど、良い取引ではなくなっていき、ある一線を越えると、悪い取引になってしまうわけだ。
 入札戦争を戦ううえで問題なのは、相手に負けたくないという気持ちが合理的な思考を押しのけること。やたら大きなエゴを持つ経営者は、株主の金を使って、信じられないような高値でビジネスを落札する。自分の懐が痛まない時は、人は割に合わない買い物をしやすくなる。しかし古今東西、割に合わない買い物をして金持ちになったという話は聞いたためしがない。

 高値でつかまされたら負けという理屈は、小売りの世界にも当てはまる。競合相手よりも安く商品を仕入れてくれば、競合相手よりも低価格で消費者に商品を提供し、利ザヤを確保しながら競合相手を駆逐することができるのだ。

 これこそがネブラスカファニチャーマートのビジネスモデルである。ネブラスカファニチャーマートはときには工場の一か月分の生産品を一括購入するなど現金で仕入れを行うため、掛買いで仕入れるライバル店とは比較にならないくらい好条件を取引相手から引き出せるのだ。
 結果としてライバル店よりも安い小売価格を設定でき、高い利ザヤを維持しつつ、ライバル店よりも多くの消費者を引き付けられるわけだ。ネブラスカファニチャーマートが安く売って大きく儲けられるのは、仕入れの際に少なく払うからである。特に小売りの世界では、売値よりも仕入れ値の方が重要となる場合が多い。

ウォーレンバフェットの教訓 The TAO of Warren Buffett より