子曰く、志士仁人は、生を求めて以て仁を害すること無し。身を殺して以て仁を成すこと有り、と。
孔子が言われる。志士仁人というような人は、命が惜しいからと言って、仁の徳を害するようなことはしない。むしろ反対に、自分の身を犠牲にしても、仁道を成し遂げるような場合がある。(生命はもちろん大切であるが、仁の方が生命よりもいっそう大切なのである。)
Kontsu says. Ambitious gentleman never harm humanity virtue only to save his life. Rather than in opposite he will be a victim to achieve humanity virtue way.
「志士」とは、学問修養に努力して仁徳を身につけようと志す人のこと。孟子はこの章を受けて告子上編で「魚は我が欲する所なり。熊掌(熊の手のひら)も我が欲する所なり。義も亦我が欲する所なり。二者兼ねるを得べからざれば、生を捨て義を取る者なり」と言う。孔子の仁に対して、孟子は義と言うが、この義は仁の具体的な行為の表れとしての義であり、言おうとすることは同じと考えてよい。
明治書院 論語より
子曰志士仁人章
387(15-08)
子曰。志士仁人。無求生以害仁。有殺身以成仁。