呉子が言った、およそ兵士が 

呉子が言った、およそ兵士が戦う場所は、たちまちにして、生きた人間が死体となるところである。そこでは、死を覚悟して戦えば生き残ることができ、生き延びることを考えて戦えば死んでしまう。優れた将軍は、たとえてみると、水の漏る船の中に座っているとか、あるいは燃えている建物の中にいるような危険な状況に自分を置いて、そこから脱する計略を練るものである。もし味方の知者に策を立てる余裕もなく、味方の勇者に怒るいとまがないような状況に追い込み、一致団結させることができたならば、敵の攻撃を受けても大丈夫である。そのようなわけで、「軍を動かす際の最も悪いことは、優柔不断であり、大軍の災難は、疑い迷って決断しないことから起きる」と言う。

 

明治書院 孫子・呉子より

 

三軍の災いは、狐疑より生ず 呉子 治兵第三・第四章

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