哀公問う、弟子敦か学を好むと為すか、と。孔子対えて曰く、顔回なる者有り。学を好む。怒りを遷さず、過ちを再びせず。不幸短命にして死せり。今や則ち亡し。未だ学を好む者を聞かざるなり、と。

魯の哀公が「門人中で誰が一番学問好きですか」と尋ねた。孔子が「顔回と申す者がありまして、学問が好きでありました。そして腹を立てても八つ当たりすることはしませんし、同じ過ちを二度と繰り返すようなことはしませんでした。ところが、不幸せなことに短命でなくなりまして、今はもうこの世におりません。この者以外に学問を好む者があるとは、まだ聞き及びません」とお答えした。

この章は顔回の死後のことで、孔子七十三歳ごろの時の問答。「史記」には孔子の弟子は三千人、身六芸(礼・楽・射・御・書・数の学)に通じた者七十二人とあるが、孔子に「好学」と言われた人は顔回ただ一人である。その学問の内容が「怒りを遷さず」「過ちを再びせず」という道徳の実践にあった。その実践は四科十哲(徳行・言語・政事・文学に秀でた十人の高弟)の第一、徳行の筆頭に挙げられた顔回にして、はじめて可能なことであったのであろう。決して容易なことではなかったのである。

明治書院 論語より

My best student never got angry or repeated the same mistakes.

From In English Kontu.

Don't expand in anger , Never make the same mistakes again. Learn from the past.


不遷怒 不貳過

 

 怒りを遷さず過ちを再びせず 論語 孔子 不遷怒 不貳過