子曰く、詩三百、一言以て之を蔽う。曰く、思い邪無し、と。

孔子が言われる、「詩経」三百編の詩は種々様々であるが、もし一言で全部を蔽い尽せと言うならば、「思うところに邪念がない」と言うことに尽きる。(すなわち、どの詩も作者に邪念がなく、真情の発露である。)

「詩経」は、現在伝わっている中国最古の詩集で、三百五編の詩が収められており、内容は諸国の民謡(風)、官廷音楽(雅)、祭祁の歌〈頌しょう)の三部から成っている。その詩、特に風は自然を歌い、恋愛の情を叙べ、人生の苦悩を歌うなど、偽らない民の声であった。「史記」によれば、孔子は「詩経」の編集に携わったとされるが、その点はともかくとして、詩は孔子学団の主な学習対象であり、孔子の息子の鯉も「詩を学ばなければ人と話ができないよ」と父の孔子から教えられて詩を学んだと言われている。孔子の時代から今日に伝わる書物は、この「詩経」と「書経」(堯・舜以来の政治記録)の2つで、孔子学団の重要な教科書であった。

明治書院 論語 より

書経のような政治記録や公文書を学ぶことはないが音楽は少し興味を持つようになった。今の政治家や役人がどれだけ現代版の書経を学んでいるのかは疑問だが一人だけ過去の政治記録を学んでいる役人を見たことはある。キャリア官僚ではなくてノンキャリ組の方だったが肩書きと学びの意欲・真摯さは日本では別のようだ。 



詩に興り、礼に立ち、楽に成る ということで音楽に少し興味を持つようになった、といってもほとんど自分には縁のない、民謡でもなく官廷音楽でもなくお祭りの歌でもないのだが・・・。恋愛や人生の苦悩は歌われてるな。

思い邪無し 論語 孔子