子曰く、君子重からざれば即ち威あらず。学べば即ち固ならず。忠信を主とし、己に如かざる者を友とすること無かれ。過ちては即ち改むるに憚ること勿れ、と。

孔子が言われる、人の上にあって人を治める地位にある者は、重厚でないと、威厳がなくて侮られる。また、君主の位にある者は頑固になりがちだから、学問によって道理に通じ、礼儀をわきまえて、独善固陋に陥るな。忠実と信義を旨として誠を失わず、自分より劣った者を友とし仲間として、わがままをするようなことのないようにせよ。過ちがあったら、面目などにこだわらずに、速やかに改めるがよい。

君子には、位にある君主の意味と、学問、人間性ともに優れた立派な人物の意味があるが、ここは内容から見て前者の意であろう。君主は衆人の上に立つ人物であるから重厚で威厳が必要であり、学問をすることで偏見やかたくなさを去れと言う。また君主は権力があり、わがままになり、おべっかを言うお気に入りの人を近づけがちになるので、自分より優れた人物を友として諫言を聞き、誠実さと信義を失わないようにせよ、もし万一それでも過ちを犯したなら、体面などにこだわらず、その過ちをすぐに改めよと述べるのである。なお孔子は過ちを犯すこと自体を非難することは無く、「過ちて改めざる、是を過ちと謂ふ」と教えている。

明治書院 論語 より

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過ちては即ち改むるに憚ること勿れ 論語 孔子